近代における日本の白衣の歴史

日本の白衣の歴史は近代になってから始まったと言われ、戦前の看護救護隊が着用していたユニフォームが最初だとされています。当時の看護師が女性だったことから、ワンピーススタイルの白衣が採用されていました。
戦後になってからはワンピースの白衣が定着し、ナースキャップを被るのも一般的になっていたのです。その後もずっと女性の白衣はワンピースのままでしたが、女性がジーンズなどを着用するようになってからは、パンツスタイルが広まっています。
実際に医療現場で着用してみるとスカートよりパンツの方が動きやすく、看護師の仕事に適しているとわかったからです。結果として、ワンピーススタイルからスクラブやケーシーへの切り替えが起こりました。
ナースキャップを被るスタイルも一般的ではなくなり、白衣にナースキャップという組み合わせはほとんど見られません。スクラブやケーシーが広まってからは、スタイルにも大きな変更が起きていないのが実態です。
1990年代頃からスクラブが主流で、一部の医療現場でケーシーやコートが選ばれています。しかし、商品のラインナップには大きな変化がありました。白か薄い水色ばかりだった白衣が、カラフルになってきているのです。
医療現場で使用することを想定して、初期は刺激が少ない淡い色のスクラブが主流でした。ですが、紺や茶などの濃い色のスクラブも選べるようになっています。デザインも豊かになり、ファッションとして楽しまれるようになってきました。